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全保連の審査は緩い?厳しい?ブラックや自営など状況別の宅建士が解説

大阪のとある不動産営業です。 全保連はCMも積極している保証会社としてはシェアがナンバー1といっても過言ではない保証会社です。もちろん、不動産屋側からも人気のある保証会社なので、よく使われています

そんな全保連の審査はどこをどうみて判断しているのでしょうか?

https://hudousan.osaka.jp/tainou-zenho/

全保連の審査って?

最初に結果から簡潔に書くと全保連の審査は

普通の人であれば、普通に通ります。あまり怖がる必要はありません。

全保連にとってどんな人が普通の人か、、というのを解説します。

全保連は2001年設立の保証会社としては老舗の部類に入る保証会社です。大きな特徴としては 保証人有でもなしでも保証料が変わらず、近畿圏では保証料30%が可能とというのが大きいです。

ほとんどの保証会社は保証人有の場合となしの場合で保証料の増額がある事が多いのですが、全保連ではそれがありません。(近畿圏だけかもしれませんが、、。)また保証料も30%と業界内では最安基準、しかも、全保連を一度使っている人の利用であれば、20%のプランも存在しています。

この辺りが不動産屋に人気な所ですね~。他の保証内容を見てもたの追随を許しません。

あとは沖縄本社っていうのも特徴的ですね。審査のでんわばんごうは098からかかってくることになるので、、なにも聞いてないととまどう事になります。笑

全保連の審査基準、内容

この辺は不動産屋としての、経験からくる憶測に近いですがどんな感じで審査をしているのでしょうか。

ここで大事なのが 2020年4月の民法改正により 連帯保証人の扱いが大きく変わる事です。

連帯保証人の民法改正

2020年4月から連帯保証人の扱いが変わる事により賃貸契約も大きく変わろうとしています。ただ、連帯保証人として印鑑を押せばOK(という解釈は変わってないかもですが)というよりはきっちり極度額の説明や債務の情報を提供しなければならない。という事になっています。しかも、ここの極度額(保証人としての責任が発生する上限額)の設定が契約書になければ、連帯保証人は無効という事が言われています。

この民法改正を受けて2020年1月から動きを見せたのが全保連です。

ここまで、大胆な変更をしてきた全保連は優秀と言えると思います。なんと、全保連は一律で「連帯保証人の受付をしない」という事になりました。

保証会社的には一人でも債権回収が出来る宛てがある事は嬉しい事だと思うのですが、無効になる可能性もあるならそこを切ってしまおうという事なのです。

 

即ち契約者のみで審査をすることになるので、審査基準も大幅に変わるのではないか?きつくなるのではないか?という部分の心配が業界内ではされていました。

ですが、蓋を開けてみると、審査はきつくなる所が若干緩くなっているのではないか?という所も見受けられます。その辺りも詳しく解説していきます。

 

全保連はLICCという保証協会の会員です。簡単にいうと、この保証協会の会員は情報を共有しています。ホームページにもこんな記載があります。

会員が登録する情報は次のものです。

氏名、生年月日、旧住所、電話番号、免許証番号等の個人特定番号、

保証対象物件名・部屋番号、保証対象物件住所、保証開始日、月額賃料、

保証終了日、入金額、代位弁済残高など

情報の登録期間は保証委託契約の終了から5年間(滞納があった場合は債務が消滅して5年間)です。

早い話が、LICCに加入している別の保証会社を利用した事がある人はデータが参照されるという事です。

利用した事で、毎月何もなく、契約を終えていれば、審査上はプラスに働くと考えられますし、滞納等があれば、マイナス、むしろ、その保証会社の審査は難しいと思っていいでしょう。

LICC会員一覧

アーク㈱、㈱アルファー、㈱アクアインシュア、㈱エルズサポート、㈱近畿保証サービス、興和アシスト㈱、ジェイリース㈱、全保連㈱、賃貸保証サービス㈱、ニッポンインシュア㈱、ホームネット㈱、ランドインシュア㈱、㈱ルームバンクインシュア

LICC加盟店の特徴としては

審査にはあまり独自性がなく、加盟店はほぼ、同等レベルの審査基準であるという事です。

営業マンとしての感覚ですが、

メモ

・過去に滞納や、更新料の払い忘れ、契約によるもめ事がある人はNG

過去にLICCの加盟保証会社の利用がなければ、

・有職者、社会保険の人は、ほぼ確実に承認

・有職者、国民健康保険の人は、確率五分五分

→家賃や会社の属性によるところが大きいかと思われます。在職の照明が出来ないので、在職証明を書いてもらったり源泉を先に提出することで否決を回避できる可能性もあります。

・年金受給者、生活保護の場合は保証人は必須です。 ← 保証人無しで生活保護の審査の承認が出るようになりました。

・無職の場合は預金残高必須で金額によって承認か否決か決まります。

社会保険証を持っていれば、まず審査の否決になる可能性は低いです。

内容に関しても、むちゃくちゃな家賃設定でなければあまり心配する必要がありません。

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過去に滞納等事故があると、完済していても事故扱いになってしまうので注意が必要です。

この辺の保証会社は普通の人であれば、普通に通る内容なので、落ちてしまうと、逆にこの人に何かあったんじゃないかと、不審がられてしまう事があります。

全保連が落ちる理由

いきなり否決となるケースは一つしかありません。エルズサポートはCICなど信販系の情報は審査に使わないので俗にいうブラックという状態でも審査に影響がありません。

まず、前提として保証会社は否決回避できる内容であれば、提案をしてきてくれます。

社会保険証は有りますか?収入証明はでますか? という感じで提案をくれます。

これもない状態で否決の回答が来る場合はまず間違いなく、LICC系保証会社で事故を起こしたことがある。場合がほとんどです。

家賃の未払いや建て替えの回数が多かったり、更新料の未払いや、契約中にトラブルがあったなど、情報が残っていれば審査の前段階で否決。という事になります。

そしてこういった情報はLICCで共有されているので、LICC系はもれなくアウト、という事になります。

否決の場合は審査結果の返信も超高速で返ってくるので分かりやすいですね。たまーに電話確認までいって否決になる事がありますが、、。

全保連が落ちた後に考える保証会社

LICC系の保証会社で否決になったという事はLICCに加盟している保証会社全てアウト、という事になります。

なので、LICCで事故は起こしたけど、信販情報には自信がある!という人は信販系保証会社で

その他の場合は独立系の保証会社で審査をしてもらえるように、管理会社や家主に相談しましょう。基本的には家主や管理会社もせっかくの入居希望者を取りこぼしたくないハズです。

状況を把握して事前に保証会社の選定をする

ほとんどの物件でいくつかの保証会社を選べるようになっています。

まずは、信販系やLICC系で審査をして、ダメなら独立系で行きましょう。というパターンもありますし、何処かで通ればいいですよ。っていう所もあります。

ですが、審査という意味で言えば、否決!となるのは、萎えますよね。家主や管理会社も何かがあった人なんだな、、という事で察する訳です。

こういった微妙な空気を避けるために、事前に担当の仲介営業には状況を伝えておくと無難です。そうする事で、最初から独立系で審査をかける事も出来るかもしれませんし、物件の選び方も変わってきます。担当の営業が保証会社の区別をちゃんと出来ているかという所も、、考えないといけませんが、、。

全保連の保証料

保証会社全般に言える事ですが、保証料や更新料をおおやけにしていない事が多いです。全保連も例外ではなく、現在のホームページにも分かりやすい記述がありません。

これはなぜかというと、

保証料は時代によって変動がしやすい為、あえて記載していない。

保証料は不動産屋のマージンの設定や保証内容によって、差が出てくるので掲載してない。

この二つが大きな理由です。申し込みをする代理店となる不動産屋によって、保証料が違う可能性があるという事ですね。

ですが、全保連は業界最安と現在関西のスタンダートになりつつある主要保証会社という事もあり、ほとんどの所が30%(更新料有)の保証料を使用しています。全国で保証料率が違うというのも特徴の一つかもしれません。

ケース別の全保連の審査

ここからは各々の状況別の審査の判断を書いてきます。またこの内容は全保連から不動産業者に配られる「全保連の手引き」を参考にしています。

自己破産やブラック

全保連は信販情報を見れません。なので、ブラックであったり、自己破産、債務整理という理由では否決になりません。

通常通り仕事をしていて、現在の状況が問題なければ十分承認を取れます。

自営業者フリーランス

自営業というのは、なにをやるのもある程度自由で、金銭的な事も自由が利くので審査がしにくい訳ですね。所得を上手くプラマイゼロにしている方も多い訳です。民法改正により契約者の情報をもう少し取るようになったと言えます。自営業者の方であれば、確定申告書や納税証明書、預金通帳の写しなどの書類を提出が求められることがあります。一般的な範囲であれば、審査は問題ありません。

保証会社としては承認を出せる要素が欲しい訳です。会社が存在していて、ちゃんと実態があるという事が重要になってくる訳ですね。どんな要素が審査にプラスに働くかというのを考えてみました。(実際に保証会社の担当者から聞いた内容も有)

  • ホームページがある
  • 名刺がある
  • 固定電話がある
  • 公的証明を出せる
  • 社会保険証が出せる

上記の内容でクリアできるものがあれば積極的に情報を提供しましょう。

バイトやパート、フリーター

このあたりも問題ありません。収入に対する家賃の割合いは気を付けるべき所があるかと思いますが常識的な範囲内での契約であれば、問題ないと言えます。

生活保護

ここが大きく変わってます。生活保護×保証人無しというのは差し押さえの関係上非常に保証契約が結びにくい状況であったのですが、ここも契約者のみで保証契約を受けるという事に変わりました。

6-7割くらいの方は承認が取れるようなので、ゼロからという意味ではかなりの人を拾っているという事になります。

年金受給者

ここも生活保護と同じような扱いですが、年金受給証明書等の提出で承認が取れるようです。

無職や求職者、内定者

無職の方は保証人が必須でしたが、ここも民法改正のタイミングで契約者のみの申込でも審査をしています。無職の場合は貯金残高の写しや、失業保険受給証明などを添えて承認を取るケースが多いようです。

 

色々なケースを書いてみましたが「あれ、全保連の審査ゆるいんじゃない?」って思った人も多いと思います。はい、僕もそう思ってます。

ただ、全保連の傾向としては「外国人に対しては審査がキツイ」となる事が多いかと思います。普通の人でも否決食らう事も多々あるので、外国の方は日本セーフティーなんかの方がいいかなと思います。

全保連の審査時間

一般に保証会社の審査時間は1-2日程度で完了します。早ければ当日中なんていう事もありえます。

保証会社も色々な種類がありますが、電話確認するところは、電話連絡がついてから、合否の結果が分かるので、電話に出られなかった、折り返しがなかった。となるといつまで経っても承認が下りない事になります。

また契約者だけでなく、勤務先や、保証人に連絡を取る事もありますので、全てが完了してからの最終承認という流れです。

保証会社の審査に時間がかかるケース

経験上、保証会社の審査に時間がかかったケースがあるので、当てはまる事項がないか、確認してみて下さい。

近年の傾向としては、全保連は電話確認を省略しています。特に

本人確認、勤務先確認、保証人の連絡がつかない

これが一番オーソドックスなパターンです。

申込み所の電話番号が間違っている

FAXでやりとりしている事が多い為、0が6に見えて居たり7が1に見えていたりと、勘違いして違う番号にかけつづけてるという事もありました。

追加書類の提出が必要

審査なので、所得証明が必要であったり、在職証明が必要であったりと、追加書類の提出を求められることがあります。この提出がないと、審査が進みません。

担当営業が不在

お客さんからすれば、あるパターンだと思いますが、自分の担当者が連休を取っていた。なんていうパターンもありえます。保証会社から不動産屋には連絡が入ってますが、自分にはまだ連絡がない、という状態です。

保証会社は承認出てるが、家主の確認が取れていない

保証会社は承認が出ていても最終貸主のGOサインが出ないと入居審査としてはOKにならない訳です。(一部では保証会社通ればOKしといてっていう所もあります。)貸主が法人の為、土日休みなど、連絡がすぐにつかない場合は余分に日数がかかります。

また、保証会社の電話確認が入る場合は審査の最終段階の事が多い為、ほぼほぼ承認。という確認の電話である事が多いようです。(たまーに否決の方もいましたが、、。)

否決の場合は申込から1時間以内くらいで速攻で否決ときます。笑
もしくは保証人の追加だったり、追加書類の要請も1時間以内くらいでは来ます。

保証会社の審査は、そんなに時間のかかるものではないですので、2日経っても音沙汰がない場合は、申込みをした、不動産屋の方に問い合わせをしてみて、不備等がないか確認してもいいかと思います。

全保連を通す為に

全保連もそうですが、一般の保証会社は信販情報までは見ないので、スマホの割賦であったり、ローンの滞りであったりは見ませんし、見れません。なので、クレジットがブラックだから、、などどいう理由では否決にはならないんですね。

 

今ご自身の状況、過去の保証会社の利用の有無を検証して、通るか通らないのか、事前にわかっていれば、他の保証会社を利用してもらったり、別の物件を候補するという手が打てると思います。

 

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岸根

TEIANの代表社員 執筆記事 2000件以上 宅地建物取引士 管理業務主任者 

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