こんにちは、不動産営業です。ネットで物件検索をしている時に「他の物件より異様に安いな~」という物件にでくわしたことはありませんか?
これは不動産屋あるあるなのですが、実在しない物件を掲載している。という事です。不動産屋はほとんどが仲介なので、同じ条件を同じ状態で載っているというのが正しいサイトの在り方だとは思います。ただ、こうなるとい差別化というのがしにくいんですね。
なので、この差別化というのを詐欺にも近い手法で行っているのが「おとり広告」という手法です。
おとり広告とは?
おとり広告
一時期に比べると近年は少なくなりましたが、不動産業界に昔からはびこる悪しき習慣と言えます。
ネットができる前は情報冊子や電ビラ(電柱にチラシを張る)や店頭看板も該当していたのですが、実際には存在しない物件や条件で、広告を掲載して、お客さんから問い合わせ等のアポイントを取ります。その後はとりあえずお店に来店させて、どうにかこうにか、成約まで結びつける。というやり方です。おいしい餌を巻いておびき寄せるという方が分かりやすいですね。
広告が集客のメインとなる業界では、ある程度常習手段と言えますが、不動産広告に関しては詐欺に近いものがあります。
なぜ、おとり広告がなくならないのか?
これは、最初にも書いた通り、不動産屋の差別化がしにくい時代にどうやって、お客さんを獲得するか?という事を考えた不動産屋の苦肉の策なんですね。特にお客さんの心理としては、「せっかくお店に来たんだし、、。」「しゃべってみるといい人そうだし、、」という事で一度顔を合わせると、この人に任せよう。となってくる人が一定数います。
そういうお客さんを狙って、不動産業者も広告を打ってくる訳ですね。
おとり広告は違法です
もちろん、おとり広告は違法です。宅建業法でもアウトです。不動産業は免許制なので、業務停止命令などが下る場合もあります。ですが、そんなリスクを冒してまでもみんなやりたいオトリ広告。やれば、簡単にお客さんが来て売り上げが上がる訳です。そういった時代があった、という方が今は正しいかもしれません。
近年は規制のおかげで減ったおとり広告
2005年~2010年過ぎくらいまではネット系のおとり広告の全盛だったといえます。リクルートが運営するsuumoや、㈱LIFULLの homes。そしてathomeやいい部屋ネット、chintaiと様々な物件情報サイトが出てきました。
こういったサイトのお客さんは不動産会社になるので、契約数、掲載数を伸ばすためにも、この時期はおとり広告に関しても目をつむっていたという事が言えます。
ユーザーファーストというよりは不動産屋ファースト。もしくは、不動産屋のおとり広告を正確に見破るすべを模索していた時期なのかもしれません。
ですが、2013年ころを境に、規制を厳しくする所とそうでない所、、というのが出てくる訳です。
規制を厳しくしているところは、あからさまなおとり広告があると、掲載停止などの処置をとるようになりました。
yahoo不動産のおとり広告を検証してみよう
では、yahoo不動産のサイトで検証してみましょう。yahoo不動産は、情報量は多いですが、他社からの物件情報をまとめているだけのサイトですので、かなり情報が雑多としてすぎています。同じ物件情報は10件乗っていたりもするので、、ユーザーからすると分かりにくいですよね。そしてオトリ広告も集まってきているわけですね。
今回は分かりやすいように大阪市中央区 1K 築5年以内という方法で検索をかけてみました。
普通に考えれば 相場が7万円前後となる場所です。
すごい綺麗そうな物件が 5万円くらいで出てきましたね、
ただ、ちょっとアホっぽいのが、今のサイトはどれもある程度マンション名などでくくられてしまうので、同じ物件の情報が一覧となって見れる訳ですね。
一番上の情報思いっきり嘘ついてるやん。ってなります。
詳細を見るをクリックしてみますと。。
エスリード天満橋という分譲マンションですね。
最新の設備です。
で、実際の物件の答え合わせがこちら
この物件が実際の不動産流通に載っている物件の資料です。共益費込み 72000円ですね。5万円なハズがないんです。
おとり広告の言い訳
では、こういった物件に問い合わせをして実際に物件に行くとどうなるのでしょうか。
まずは、該当物件の打ち消しという事をされます。
こんな言い訳に注意
- 契約が家主都合で3か月しか無理、だから安く募集している
- 事故物件です。なので安く募集している
- 先ほど競売にかかったいるので部屋付けができない。
この辺の言い訳は、会社によってさまざまあるようですが、お客さんを諦めさせれば、なんでもいい訳です。ですが、こういった営業しているところは軒並み営業マンがアホなので、少しつつけばボロがでます。ま、、こんな事してる業者と無駄に争う時間をかけるよりはさっさと親切な業者を探す方が得策かとは思いますが。
物件を諦めさせれば、あとは普通の物件を営業していくだけ。となります。
事故物件はそんなに安くない?
上記おとり広告の言い訳によく使われる「事故物件ですよ。」というトークですが、事故物件だったとしても7万前後の物件が3万円になることはありえません。せいぜい1割安くなっているくらいです。
分譲マンションはおとり広告に最適
分譲マンションはここの部屋ごとに所有者が違うので、「当社のみの特別な部屋を紹介する」というニュアンスでお客さんを呼び寄せることが可能になる訳です。そして、サイトには階数までは書いてますが、号室までは書いてないことがほとんどなので、特定もできません。
こういった事情から、現在おとり広告の素材になっている物件は、ほとんどが分譲マンションと言えます。
何処の不動産屋に行っても物件はほぼ一緒
まとめになりますが、不動産屋はどこに入ってる紹介できる物件は一緒です。その入り口がオトリ広告かどうか、という違いはあります。
せっかくの部屋探しなので、気持ちよく借りたいですよね。
特別な事情がない限り、部屋探しを焦ることはありません。不信感がある業者、合わない営業マン。と感じれば、他の不動産会社を探せばいいだけです。
いい部屋探しは信頼できる担当者探しから。と言いますが、まずは、良い人に出会う事を心がけて部屋探しを始められるといいですね。